文学少女と死にたがりの道化(ライトノベル)

ラノベレビュー

今回のレビューはライトノベル「文学少女と死にたがりの道化」です。

漫画化、アニメ化などもされた、この「文学少女シリーズ」は全部で16冊あるそうです。

そのシリーズ第1弾を読んでみました。

作品情報

タイトル:「文学少女と死にたがりの道化」

著者  :「野村美月」

イラスト:「竹岡美穂」

レーベル:「ファミ通文庫」

あらすじ

文芸部部長の天野遠子は物語が大好きな自称”文学少女”。

遠子の後輩・井上心葉は彼女に振り回され物語を書かされる毎日を送る。

そんな二人しかいない文芸部にとある女子生徒から恋の相談が持ち込まれる。

依頼人の希望により恋文の下書きを書くことになった心葉だったが、

書いていくうちに依頼人の違和感に気付き始め事態はあらぬ方向に向かっていく。

この恋の相談が文芸部の二人を思わぬ事件に巻き込むことになる。

感想

登場人物の天野遠子は衝撃的でした。

物語を読んでむしゃむしゃと食べてしまう、文学少女にびっくり仰天。

最初、頭の中で「? ? ? ?」が浮かびました。

本当に食べるわけではないよね? それぐらい文学が好きということだよね?

という解釈に今はしておきたいと思います。でも実際どうなんでしょうか。気になります。

実際に存在する文学、太宰治の「人間失格」をモチーフに物語が進んでいく展開は読んでいて面白かったです。

登場人物たちの苦悩や葛藤を太宰治の「人間失格」を巧みに使いながら展開していくストーリーには純粋に引き込まれました。

すごい! これどういうこと? これどうなっちゃうの? という感じで終始読み続けられる面白い作品でした。

項目別評価

既存の文学作品をつかった巧みなストーリー展開には圧倒され、純粋に面白かったです。

また、登場キャラクターに関しては、インパクトの強烈な先輩、天野遠子。謎めいたものを内に秘めた後輩の井上心葉。と非常に印象に残り魅力的でした。

物語が純粋に面白く、先の展開が常に気になり、スラスラと読めてしまうのも印象的でした。

学園ミステリーが好きな人にはドンピシャな作品だと思います。

まとめ

純粋にただただ面白かったです。

太宰治の『人間失格』が作中にでてくることにより物語に深みが増していました。

『人間失格』を知らなくても十分に楽しめると思います。

知ってる人はより楽しめて、知らなかった人はこれをきっかけに必ず読みたくなるはず。

文芸部の後輩・井上心葉の過去、文芸部先輩の天野遠子の食事事情。

この2つが今後気になるところです。

次巻も読んでみようと思います。

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