ハグワール・D・サウロ
元海軍本部・中将。オハラの為に戦った巨人。
当時8歳だったニコ・ロビンをオハラから逃がそうとした人物。
ハグワール・D・サウロは、22年前に考古学の聖地オハラで、当時海軍本部・中将だったクザンによって氷漬けにされました。
あたかもサウロは死んでしまったような印象を受けますが、
実は「完全には死んでいない」と私は考えています。
いくつか根拠を上げて「ハグワール・D・サウロ生存説」を考察していきます。
根拠1 クザンが使った技名
クザンはヒエヒエの実の能力者であらゆるものを凍らすことのできる氷結人間です。
サウロは悪魔の実の能力者であるクザンから攻撃を3つ受けました。
1撃目――”アイス塊”「両棘矛」
2撃目――”アイスタイムカプセル”
3撃目――”アイスタイム”
ここで注目すべきは2撃目と3撃目の技名です。
両方とも「アイスタイム」という文字が入っています。氷とは時が経てば溶けるものです。
さらに2撃目は”アイスタイムカプセル”です。
「タイムカプセル」という言葉にはこのような意味があります。
一定の年月が経過した後、取り出す了解のもとに地中に埋める
新明解国語辞典
つまり
”アイスタイムカプセル”――氷というカプセルの中にサウロを入れて、
”アイスタイム”――そのカプセルのふたをして埋めた。
という風に解釈することもできるのではないでしょうか。
すなわち、サウロの体は氷漬けにされた状態であって、いつか再びタイムカプセルのように取り出される日が来るのではないでしょうか。
ではサウロは氷漬けにされて生きているのでしょうか?
根拠2 クザンの技で凍らされた人物は死んでいない
クザンの技を受けて完全に凍り、その後息を吹き返した人物は既に2人います。
麦わらの一味の船長モンキー・D・ルフィと考古学者ニコ・ロビンです。
麦わらの一味はロングリングロングランドにて当時海軍本部大将だったクザンに凍らされました。
クザンの能力で凍ったロビンに麦わらの一味は慌てます。それにクザンはこう答えています。
わめくな…ちゃんと解凍すりゃまだ生きている
ただし…体は割れ易くなってるんで気をつけろ
割れりゃ死ぬ
34巻 320話
さらに凍らせたルフィに対してクザンはこのように発言します。
――このままここでお前を砕いちまって命を絶つのは造作もねェが……借りがある
34課 321話
つまり、解凍すれば生きていているけど、砕いてしまったら死んでしまうということがわかります。
その発言を裏付けるように凍らされた2人は無事解凍され、息を吹き返しました。
その解凍作業を行っている最中にチョッパーが、凍ったロビンのことを次のように述べています。
仮死状態にあると思うんだ
34巻 321話
これはクザンに凍らされたサウロにも当てはまることではないでしょうか。
つまり、クザンに氷漬けにされたサウロは『仮死状態』にあり、解凍すれば生きている状態だったのではないでしょうか。
根拠3 第397話の副タイトルが ”未来へ届くように”
サウロが氷漬けにされたときの話のタイトルが”未来へ届くように”でした
この話の内容は主に2つ。
1.オハラの学者たちが燃え盛る歴史を前になんとかそれを未来へ残そうと動く
2.サウロがクザンに氷漬けにされる
もちろんこの第397話のタイトル”未来へ届くように”は1.の「歴史を未来へ届ける」ことをさしています。
しかし、2.も捉え方によっては「サウロを未来へ届ける」ことを暗示していると解釈することもできます。
すなわちこの話のタイトルは2つの出来事ににかかっているのではないかと考えられます。
また、「サウロを未来へ届ける」ことを暗示している可能性を高める発言がコミックス55巻で描かれています。
インペルダウンのLEVEL5「極寒地獄」の囚人が、凍って動かなくなった別の囚人を見て次のように発言しました。
ハァ…ダメだァコイツ…
………死んだかそれとも未来へ冷凍保存されたか……‼
55巻 535話
”未来へ冷凍保存”
なんとも意味ありげな表現です。
凍って動かなくなった状態を”未来へ冷凍保存”と表現するのであれば、
クザンに凍らされたサウロは「未来へ冷凍保存された」と言えます。
根拠4 サウロとクザンは親友
ガレーラカンパニー本社裏で宴をしていた麦わらの一味。少し離れた人気のないところにいたロビンの背後にクザンが現れます。
そこでクザンはサウロとは親友だったことをロビンに明します。
――20年前オハラの為に戦った巨人
ハグワール・D・サウロとおれは…親友だった
45巻 433話
22年前(45巻当時では20年前)クザンは親友の意思をくんで、ニコ・ロビンを逃がしたことが判明しました。
サウロとクザンはオハラがバスターコールにより攻撃を受けているとき、このようなやり取りをしています。
サウロ「クザン…‼ おめェはこの攻撃に誇りが持てるのか‼?」
クザン「………」
41巻 397話
サウロの問いかけにクザンは無言です。
サウロ「おかしいでよ……!!! お前も知っとるハズだで!!! これは”見せしめ”だ……!!! そのためにオハラを消すんだで!!!」
クザン「それが今後の世界の為なら仕方ない 現に学者達は法を破ってんじゃない……‼」
41巻 397話
”世界の為なら仕方ない”といった言葉を使っています。さらにクザンはこう続けます。
正義なんてのは立場によって形を変える――だからお前の”正義”も責めやしない――ただおれ達の邪魔をするなら 放ってはおけねェ……!!!
41巻 397話
ここでも”おれ達の邪魔をするなら 放ってはおけねェ”という言葉で濁しています。
この一連の会話から全体的にサウロの問いに答えずにはぐらかしていることがわかります。
クザンはあくまでも自分の意思は口にせず、世界政府の立場からものを言っていることがわかります。
さらに追い打ちをかける事態が起きます。
島から避難船に乗った一般市民が海軍本部中将・サカズキによって爆破されます。これを見た二人は
サウロ「これが正義のやることか…!!! これでもまだ”胸を張れる”のかァ!!!」
クザン「……!!! あのバカ程行き過ぎるつもりはねェよ!!!」
41巻 397話
この発言からクザンの本音は、サカズキ程”行き過ぎ”るつもりはないけれど、この作戦は”行き過ぎ”であると感じていたことが推測できます。
つまりクザンは、”世界政府の言いなりの正義”の名のもとにオハラ攻撃の作戦に加わっていたと言えるでしょう。
親友の正義を前にして、親友の言葉を前にして自分の本音が漏れ、自分の正義がぐらついてるのが見て取れます。
クザンは組織の言いなりの正義の名の元に、果たして親友を殺すことができたでしょうか。
根拠5 世界政府の研究「人の巨大化」
世界政府は何百年も前から「人の巨大化」の研究をしていました。
人の”巨大化”ってのは何百年も前から推進されている「世界政府」の研究だ
68巻 668話
これは”死の外科医”トラファルガー・ローの口から明らかになっています。
ハグワール・D・サウロは巨人です。
海軍を辞め、囚人を脱走させた、サウロは海軍にとって裏切り者の罪人です。
罪人の巨人は世界政府の「人の巨大化」の研究にとって都合のいい研究素材といえます。
実際パンクハザードで罪人である囚人を使って人体実験が行われていたことは、茶ひげの口から明らかになっています。
ここは元々政府の科学者ベガパンクの実験施設で”兵器””薬物”の開発と実験がされていた場所だ
島にゃあ監獄代わりに一部の囚人達が連れて来られてモルモットの様に「人体実験」されていたらしい………‼
67巻 664話
麦わらの一味の航海士・ナミがこの研究所内を走り回っていると、「人体実験」のサンプルらしきものが見つかります。
何コレ……氷づけの死体!? 上にも下にも!?
67巻 660話
氷漬けされた死体の大きさは明らかにナミたちより大きく、まさに巨人が氷漬けにされているようです。
サウロはクザンによって氷漬けにされた巨人です。
この話の中にはサウロと思われる人物はいませんでしたが、パンクハザードで氷漬けの巨人が見つかりました。これが何を意味するのか。
ズバリ、世界政府の「人の巨大化」の実験はこのパンクハザードで行われていた可能性が高いということです。
したがってサウロは世界政府の人体実験のためパンクハザードに送られた可能性が高いです。
根拠6 クザンがパンクハザードに来た理由
氷漬けのサウロがいる可能性が高い島――パンクハザード
そこに海軍を辞めたクザンがやってきました。
パンクハザードにいたスモーカーが突如現れたドフラミンゴに殺されかけた際、不意にクザンが現れたのです。
これによりスモーカーは命拾いしました。
スモーカー「―――おれァ…今 死んでた」
クザン「フフフ…んん…ここへ来たのは縁ってやつだな」
海軍を辞めたクザンが現在のスモーカーの居場所を知るはずがありません。
クザンも『縁』という言葉を使っています。
つまり、スモーカーを助けるためにパンクハザードに来たというわけではなさそうです。
そのことはスモーカーも思ったのでしょう。クザンにパンクハザードに来た理由を尋ねます。
スモーカー「何しにここへ…?」
クザン「……お前の顔見によ」
即答せずに、少しの間を置いた後、”お前の顔見によ”と言っています。
スモーカーの居場所を知らないはずなのに「顔を見に」来たというのはおかしいです。
明らかにはぐらかしているのがわかります。
仮にこの言葉が本当のことであっても、スモーカーの問いかけに即答していないことから、パンクハザードに来た目的は他にもあるのではないかと思われます。
では一体なぜクザンは海軍を辞めた今、パンクハザードに来たのでしょうか。
わたしは、その理由を”闇”とのつながりが関係しているのではないかと考えています。
根拠7 クザンと”闇”とのつながり
海軍を辞めたクザンは評判がよくないようです。ドフラミンゴは去り際、クザンに問いかけます。
お前今…‼ 何者なんだ!!! クザン!!!
いい評判は聞かねェぞ
70巻 699話
既に世間ではクザンの良くない噂が流れていることがわかります。
スモーカーも噂は耳にしているのでしょう。
スモーカー「……なぜここがわかった」
クザン「!?」
スモーカー「まさか”闇”に通じてる訳じゃねェだろうなアンタ今…」
クザン「………………」
70巻 699話
”闇”に通じていることを否定していません。これは何かしらの繋がりがあるとみるべきでしょう。
この場合の”闇”とはヤミヤミの実の能力者、マーシャル・D・ティーチ率いる”黒ひげ海賊団”のことを指していると思われます。
クザンと黒ひげとのつながりは五老星の口からも明らかになっています。
あの巨大な戦力が今や”黒ひげ”に加担しているとは‼
79巻 793話
では、何故クザンは”黒ひげ”に加担しているのか。
理由は黒ひげ海賊団2番船船長”雨のシリュウ”にあると考えます。
”雨のシリュウ”は元インペルダウンの看守長です。
彼ならば、22年前氷漬けにして捕まえた囚人サウロの居場所を知っている可能性が高いです。
クザンは黒ひげ海賊団に接触し、”雨のシリュウ”からサウロの情報を得るための交換条件として黒ひげに加担したのではないでしょうか。
そして、”雨のシリュウ”からサウロの居場所を聞いたクザンは「人の巨大化」の実験が行われていたパンクハザードに来たのではないでしょうか。
つまり、
パンクハザードに来た理由→インペルダウン元看守長”雨のシリュウ”から、パンクハザードにサウロがいるという情報を得たから
”闇”に加担している理由→インペルダウン元看守長”雨のシリュウ”から、サウロの居場所を聞くための条件だったから
そう考えると、クザンがパンクハザードに来た理由と”闇”に加担している理由に説明がつきます。
結論 サウロは『仮死状態』でパンクハザードに保存されている
7つの根拠からサウロは『仮死状態』でパンクハザードに保存されていると推測できます。
では、サウロは今どのような状態にあるのかというと
囚人として凍ったまま『人の巨大化』の実験が行われていたパンクハザードに送られ、
モルモットとして『仮死状態』でパンクハザードに保存されている。
すなわち、解凍すれば生き返る状態であると言えます。
よって、サウロは『完全には死んでいない』と考えられます。
これが『ハグワール・D・サウロ生存説』の考察です。
いかがでしょうか。
多少推測が過ぎるところもあるかもしれませんが、なるべく根拠となる箇所を上げて考察してみました。
可能性としては十分考えられるものではないでしょうか。
ONE PIECEもいよいよ最終章に突入しようとしています。
もしサウロが死んでいなかったならば、復活は最終章のタイミングしかありません。
そう考えると、サウロの復活のときは近いのかもしれません。
今後のクザンの動きに要注目です。
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