RDG レッドデータガール はじめてのおつかい(文庫)

文庫レビュー

今回レビューするのは現代ファンタジーの大人気シリーズ『RDG』の第1弾。

「RDG レッドデータガール はじめてのおつかい」です。

本作は荻原規子による全7巻のファンタジー小説で

2013年にはP.A.WORKS制作でTVアニメ化されました。

作品情報

タイトル:「RDG レッドデータガール はじめてのおつかい」

著者  :「荻原規子」

イラスト:「坂井駒子」

レーベル:「角川文庫」

あらすじ

神社で生まれ育ち、祖父と暮らしてきた中学三年生の鈴原泉水子は

引っ込み思案ゆえに高校の進学先は地元の高校と決めていた。

しかし、ある日突然、単身赴任中の父親から東京の高校へと進学するよう言われる。

彼女は東京に住む母親に相談するため、東京への修学旅行中に抜け出し、母に会いに行こうとするが次々と彼女の行動は阻まれる。

さらには彼女に恐るべき出来事が待ち受けていた。

感想

引っ込み思案な泉水子と何事もスマートにこなす裏表のある幼馴染・深行(みゆき)とのお互いの距離感が絶妙に良かったです。

深行の裏表のある態度の豹変ぶりも読んでいて興味深かったです。

ほとんどの相手には愛想よく接する彼ですが、父親に対しては敵意むき出しで、泉水子に対しても言いたいことを平気でズバズバ言います。

喋る相手によりあからさまに態度が変わることで特別な関係性を見いだすことができる面白いキャラクターでした。

特に泉水子とは仲が良くないけど利害の一致でともに行動をする部分は絶妙な距離感がいい感じにでていました。

また、泉水子の両親、深行の父親、突如現れた「姫神」の正体など、謎めいた部分が随所にちりばめられており物語にすごく引き寄せられました。

終盤では泉水子の毅然とした態度が少しずつ出ていくさまがよかったです。

彼女の心の成長を見守っていきたくなるような物語でした。

総合評価

ストーリー展開はあまり大きな動きはなく、大きな物語の序章という感じでした。

どちらかと言えばキャラクター同士の関係性が楽しめた作品でした。

世界観はどの程度のファンタジーなのか判断に迷うところですがこれからに期待です。

まとめ

RDGシリーズ第一弾の本作は内気な少女がほんのちょっぴり成長する物語でした。

ところどころに張り巡らされた伏線らしきものが多々あり、まだ回収されていない部分も気になりました。

続きが気になったので続巻も読んでみようと思いました。

コメント